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データドリブン選手育成クラブとは

プレスリリース

データドリブン選手育成クラブとは、テクノロジーとデータを活用して、選手の潜在能力を最大限に引き出すことを目指す革新的な育成クラブです。 

従来の経験や勘に頼る育成方法とは異なり、選手の課題や強みを正確に把握するために、

選手のフィジカル、パフォーマンス、メンタルなど多角的なデータを統合的に分析し、個々の特性に合わせた最適なトレーニングを提供することで、パフォーマンスの最大化を図ります。 これにより、選手個々の強みを伸ばし、課題を克服する科学的かつ効率的な育成が可能となります。

近年、世界のトップクラブではデータを活用した選手育成が主流となっています。

なぜ世界のトップクラブではデータドリブンな選手育成が主流なのか?

育成方法の効率化:

  • 従来の経験や勘に頼る育成方法では、選手の潜在能力を最大限に引き出すことが難しい場合があります。

なぜなら、個々の選手の能力や特性を客観的に把握することが困難であり、

最適なトレーニング方法や指導法を提供することが難しいからです。

経験や勘は、指導者の長年の経験から培われた貴重な知識ですが、どうしても主観的な判断に偏りがちです。

選手の能力を正確に評価するためには、客観的なデータに基づいた分析が不可欠です。

例えば、選手のフィジカル能力、技術、戦術理解度、メンタル状態などは、データを用いることでより詳細に把握できます。

これらのデータを活用することで、選手一人ひとりの課題や強みを明確にし、個々のニーズに合わせたトレーニングメニューを作成できます。

パフォーマンス向上:

  • 試合中の選手の動きやデータを分析することで、戦術の改善や個々の選手のパフォーマンス向上に繋げることができます。
  • データに基づいたトレーニングを行うことで、選手のフィジカル能力や技術力を効率的に向上させることができます。

怪我予防:

  • 選手のフィジカルデータを分析することで、怪我のリスクを早期に発見し、適切な対策を講じることができます。
  • 疲労の蓄積状況や体の状態をモニタリングすることで、オーバーワークによる怪我を予防することができます。

競争の激化:

  • 近年、サッカー界における競争はますます激化しており、優れた選手を育成することがクラブの競争力を維持するために不可欠となっています。
  • データドリブンな育成方法を採用することで、より効率的に有望な選手を育成し、競争に打ち勝つための力をつけることができます。

テクノロジーの進化:

  • ウェアラブルデバイスやトラッキングシステム、パフォーマンス分析ソフトウェアなど、選手のデータを収集・分析するためのテクノロジーが進化しました。
  • これらのテクノロジーを活用することで、より詳細なデータを取得し、より高度な分析を行うことが可能になりました。

データドリブン育成クラブの具体例が、

オランダの名門クラブ アヤックス・アムステルダムです。

アヤックスは、独自の選手評価システム「T.I.P.S.」を導入し、選手の技術、洞察力、人格、スピードを細かく分析。

そして、そのデータに基づき、個々に最適化されたトレーニングメニューを作成、

選手の成長を最大限に促すだけでなく、怪我のリスクを軽減することにも成功しています。

その結果、アヤックスはUEFAの調査でヨーロッパで最もユース出身選手を輩出しているクラブになりました。

2019年の調査では、トップ30リーグでプレーするアヤックスユース出身選手はなんと81人! これは、2位のバルセロナ(68人)や3位のレアル・マドリード(57人)を大きく引き離す数字です。

さらに、スポーツ国際研究機関CIESのサッカー調査部門が2024年1月10日に発表したレポートによると、アヤックスは2014年から2023年までの約10年間で、アカデミー出身選手の売却によって3億7600万ユーロ(約450億円)もの収益を上げています。

これは、世界第2位の数字です。

一方、Jリーグの多くのクラブでは、依然として指導者の経験と勘に頼った育成が主流です。

もちろん指導者の経験と勘は、重要な要素です。

しかし、それだけに頼っていては、選手の潜在能力を見逃してしまう可能性があります。

Jリーグの現状、

2023年度のJリーグクラブ経営情報が開示され、浦和レッズが103億8400万円という、

Jリーグ史上2クラブ目となる100億円超えの売上高を達成したことが話題となりました。

しかし、この数字は本当に喜ぶべきものなのでしょうか?

もちろん、Jリーグ全体の売上高が過去最高を更新したことは、リーグの成長を示す上で喜ばしいニュースです。

しかし、浦和レッズの売上高が100億円を超えても、アヤックスや他のヨーロッパクラブと比較すると、その差は歴然です。

2023年度の売上高に関して、

レアルマドリードでは、10億5000万ユーロ(約1710億円)

マンチェスターシティでは、7億1500万ポンド(約1122億5500万円)

そして、選手育成型クラブで有名であるアヤックスでさえも、

1億9,600万ユーロ(約307億7,200万円)である。

これは、浦和レッズの年間売上高の10倍以上にもあたる金額であり、

選手育成型クラブと比較しても、3倍以上も違います。

しかし、悲観的になる必要はなく、

確かにマンチェスターシティやレアルマドリードといったクラブと比較すると非現実的であるかのように見えますが、

Jリーグクラブが目指せるクラブ像として選手育成型クラブであるアヤックスとの比較では、どうでしょうか。目指せるのではないでしょうか。

アヤックスの収益源は、単に試合のチケット収入やスポンサー収入だけではなく、

選手の育成に力を入れ、優秀な選手を育て、高額な移籍金で売却することが、大きな収益源となっているのです。

Jリーグの多くのクラブは、選手の育成よりも即戦力補強に偏りがちです。

もちろん、即戦力補強もチームの強化には必要です。

しかし、選手の育成を疎かにしていては、長期的なチームの成長は見込めません。

Jリーグのクラブが、アヤックスのように選手の育成に力を入れ、優秀な選手を輩出できるようになれば、クラブの財政状況は大きく改善されるでしょう。

Jリーグが世界に追いつき、追い越すためには、データに基づいた選手の育成にこそ力を入れるべきです。

データドリブンな選手育成を導入し、選手の才能を最大限に引き出すシステムを構築することで、Jリーグはより魅力的なリーグへと成長できるでしょう。

それでは、アヤックスが如何に選手育成にデータ活用をしているかを見ていきましょう。

アヤックスの育成哲学とデータ活用

アヤックスの選手育成は、データとテクノロジーを最大限に活用することが特徴です。

特に注目すべきは、アヤックスが採用する独自の選手評価基準 『T.I.P.S』 です。

T.I.P.Sは選手の能力を技術、洞察力、人格、速さという4つの要素で評価し、詳細に分けた項目ごとに選手の能力を分析します。

T.I.P.Sの評価基準

  1. T: Technic – 技術
    • ボールコントロール、ドリブル、パス、シュート、クロス、トラップ、ヘディング、1対1など、選手の基本的な技術を細分化して評価。
  2. I: Insight – 洞察力
    • ボールポゼッション、相手のポゼッション、戦術理解など、試合中に必要な判断力やポジショニングを分析。
  3. P: Personality – 人格
    • カリスマ性やメンタル強度、プレッシャーへの対処法、リーダーシップ、モチベーションなど、選手の内面的な強さを評価。
  4. S: Speed – 速さ
    • 初速、スプリント能力、ジャンプ力、持久力など、アスリートとしてのフィジカル面を評価。

これらの4つの評価基準は、選手がフィールドでどのように振る舞い、判断し、成長するかを支える重要な要素となります。

アヤックスは、このT.I.P.Sを基に選手を総合的に分析し、それぞれの選手に最適な指導方法を提供しています。

テーブル

中程度の精度で自動的に生成された説明

では世界のトップクラブの事例と日本の現状を踏まえて、FC徳島ではどんなチャレンジをしているのか?

FC徳島のデータドリブン選手育成モデル

FC徳島は、アヤックスの成功事例を参考にし、国内における最先端のデータドリブン育成モデルを構築していきます。

現在取得しているデータ

  • フィジカルデータ:

総走行距離、スプリント回数(24km以上)、最大速度、平均速度、Player Load高強度の割合(時速14km以上)、心拍数、1分間当たりの走行距離などをGPSデバイスで測定

  • パフォーマンスデータ:

攻撃

xG、パッキングレート、アタッキングサードのパス成功率、デュエル成功率、クロス成功率、縦パス成功率、ボールを受けた場所や回数、パス成功率、シュート決定率、シュート効率など

守備

xG、パッキングレート、ボール奪取した場所、デュエル成功率、空中戦成功率、ボール奪取後のパス成功率など

今後取得したいデータ

  • ライフスタイルデータ:

睡眠時間、睡眠の質、食事の栄養などの運動習慣をより科学的なアプローチで選手のコンディション管理を行う

  • トラッキングデータ:

試合中での相手チームの選手の位置座標データ

  • 性格・メンタルデータ:
    • 集中力、モチベーション、プレッシャーへの対応力、リーダーシップ、協調性、コミュニケーション能力、ストレス耐性などを心理テストやアンケート調査で測定

今後のデータの活用方法

1. フィジカルデータとパフォーマンスデータの統合分析

  • 選手の強み・弱みの可視化:
  • 走行距離、スプリント回数、最大速度などのフィジカルデータと、xG(期待ゴール数)、ボールを受けた場所、デュエル成功率などのパフォーマンスデータを組み合わせることで、選手の具体的な課題や改善点、強みなどを客観的に把握できます。
  • 例えば、攻撃的なポジションの選手で、ポゼッションをしている時間での走行距離とスプリント回数が多いにも関わらず、ボールを受けた場所が自陣地で多かった。これは、戦術的なゴールを意識したポジショニングの理解力に課題があるという分析が可能である。
  • 個別トレーニングメニューの作成:
  • 選手の課題に合わせて、必要なフィジカルトレーニングや技術練習のメニューを個別に作成します。
  • 例えば、パス成功率が低い選手には、パスの精度や判断力を高めるための練習メニューを提供し、試合中の走行距離が足りない選手は、持久性のトレーニングメニューを提供します。
  • 疲労管理と怪我予防:
    • 試合中の心拍数や走行距離などのデータから、選手の疲労状況を把握し、適切な休養やリカバリーメニューを提供します。
    • これにより、過度な負荷による怪我のリスクを軽減し、選手のパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。

2. ライフスタイルデータの活用

  • コンディション管理:
    • 睡眠時間や食事内容などのライフスタイルデータと、フィジカルデータを組み合わせることで、選手のコンディションをより詳細に把握できます。
    • 例えば、睡眠時間が短い選手には、睡眠の質を改善するためのアドバイスやサポートを提供します。
  • パフォーマンス向上:
    • ライフスタイルデータに基づいた、より科学的なアプローチで選手のコンディション管理を行うことで、パフォーマンス向上に繋げることが期待できます。

3. トラッキングデータの活用

  • 戦術分析:
    • 試合中の選手の位置座標データから、チーム全体の動きや選手の連携などを分析し、戦術の改善に役立てます。
    • 例えば、相手チームの守備の弱点を突くためのパスコースや、効果的なポジショニングなどをデータに基づいて検討できます。
  • スカウティング:
    • 相手チームの選手のトラッキングデータを分析することで、選手の特性やプレースタイルを把握し、効果的な対策を立てることができます。

4. 性格・メンタルデータの活用

  • メンタルサポート:
    • 選手の性格やメンタルに関するデータを収集し、メンタル面の課題を抱える選手には、カウンセリングやメンタルトレーニングなどのサポートを提供します。
  • チームマネジメント:
    • 選手の性格やメンタルデータを考慮したチーム編成や、コミュニケーション方法を検討することで、より 生産性の高いチームを作ることができます。

 未来を創るFC徳島の挑戦

Jリーグのクラブが、世界の舞台で輝きを放つために、

 FC徳島は、未来を担う若き才能を育むことに情熱を注ぎ、独自の道を切り拓いていきます。

それは、データドリブン選手育成という新たな挑戦です。

従来の経験と勘に頼る育成方法から脱却し、テクノロジーとデータを駆使することで、選手の潜在能力を最大限に引き出す。

 FC徳島は、この革新的なアプローチで、世界基準の育成システムを構築していきます。

データが明かす選手の真実

FC徳島は、選手のあらゆる情報をデータ化していきます。

GPSデバイスで計測される走行距離やスプリント回数といったフィジカルデータ、試合中のパス成功率やシュート精度といったパフォーマンスデータ。 さらに、将来的には睡眠時間や食事内容などのライフスタイルデータ、そして性格やメンタルに関するデータまで、収集・分析していく予定です。

これらのデータは、指導者にとって宝の山となります。 

選手の強みや弱みを客観的に把握し、個々に最適化されたトレーニングメニューを作成することで、効率的な成長を促進。

怪我のリスクを事前に察知し、予防にも役立ちます。

まさに、データが選手の才能を輝かせる道しるべとなるのです。

地域と共に

FC徳島は、地域密着型のクラブとして、地元の子供たちの育成にも力を入れていきます。

データドリブン育成は、才能ある子供たちを早期に発見し、育成するための強力なツールとなります。

FC徳島は、地域社会との連携を強化し、徳島から世界へ羽ばたく選手を育成することで、地域活性化にも貢献していきます。

未来への展望

データドリブン育成は、FC徳島にとって、未来を創造するための挑戦です。 

この挑戦を通じて、Jリーグ、そして日本サッカー界全体の発展に貢献していく。 FC徳島は、その強い決意を持って、未来へ向かって力強く歩み続けます。

FC徳島は、データという武器を手に、未来を創造します。